アニメとインターネット。またはノイタミナ [アニメ]

先ほどまで、ニコニコ生放送で津田大輔さんらが出演した
「ネットの羅針盤」を観ていますた。

http://live.nicovideo.jp/watch/lv37953057

今回は、東芝対SARVHの「私的録画補償金裁判」について取り上げて、
補償金やDRMについて話しています。

これって実は現状の深夜アニメの現状に深く関わっているのだと思うのですよ。

ちなみに、この番組の最後の方で深夜アニメを引きあいに出して、
読まれた質問を送ったのも僕です。

現状の深夜アニメの現状と言うのは、
キャラクターメインのアニメが蔓延している状況の事です。


今はノイタミナ始め、アンチキャラアニメを目指し、
深夜アニメの状況を変えようとしていますが、
そもそも、キャラクターアニメばかりが作られるようになったのは、
僕がこのブログの「アニメカレー論」の記事でも話したように、
アニメファン自身がキャラクターアニメのコンテンツにしか、
金を落とさなくなってしまった為です。


じゃあ、なんでアニメファンはキャラクターにしか、お金を落とさなくなったの?


という事について僕の見解を話します。


昔のアニメは作品そのものを売る為ではなく、
子供向けの玩具を売る為のプロモーションビデオだったのが、
ガンダムやエヴァによって、アニメファンの年齢層を上げました。

そこで起こったのが、玩具ではなく作品パッケージその物(DVD、VHS)を売って、
制作費を作り出さないといけない現状がきたわけです。

その為、ただでさえ玩具メーカー等のスポンサーが付きにくくなったのに、
作品に求められる物が作画的にも内容的にも高くなり、
またさらに高額な制作費が必要となり、
アニメ業界は経営的にも疲弊しきっている現状が生まれたのです。


だから、今は作品内容だけで売るのは難しい現状です。
今それで売れるのは、高額な制作費を扱える劇場版だけじゃないのかな・・・。

要するに、深夜アニメはパッケージを売らなければならないと言う事ですね。 視聴率うんぬんよりも、BDとDVDの売上が重要視される様になったのですよ。


これは本当に良い傾向だったのだと思います。
子供向けアニメだけでなく、
オトナとオタク向けの面白いアニメが作られるきっかけになったのですから。

ここに重なったのが、インターネットとデジタルレコーダーの普及です。

2006年に深夜アニメコンテンツの数量的にも、
売上的にも一つのピークがありました。

そして、2007年に出てきたのが、そう。
皆大好き「ニコニコ動画」です。
以前から「youtube」という無料の動画投稿サイトはあったんですが、
このニコニコ動画の出頭を機に、一気に無料の動画投稿サイトが出てきたと記憶しています。
(まぁウィニーやwinMX等のネット上無料でアニメを観る事はできたのですが・・・)

ネット環境だけなら、この時期はもう爆発的に普及し終わっていた頃のはずです。

このニコニコ動画が広まった2007年と言うのは、
今ほど著作権法の整備もなされていない事もあって、
ニコニコ動画を始め、動画投稿サイトのおかげで、
一般の人は簡単に無料でいつでも手軽に、
たいていのアニメの本編を観れる事ができたのです。

まさに、無法状態でした。

この権利侵害によって、全てのアニメパッケージが売れなくなったと言うのもあると思いますが、
その中で、淘汰されて、今まで生き残ってきたのがキャラアニメです。

もう答えはそのまんまなのですが、
なぜ、キャラアニメ以外のアニメが売れなくなったのかと言うと、
無料でネットで観て済ませる事ができるからです。

そして、なぜキャラアニメだけは売れるのかと言うと、

そのパッケージ自体がキャラクターのグッズとして売れるからです。

デジタルレコーダーに関しても、同じ事が原因だと思います。
TVで放送されたアニメを劣化させる事なく、録画する事ができ、
録画さえしてしまえば、何度も高画質のアニメを無料で観る事が出来ます。

よって、アニメのBD・DVDという物質には価値が出ない。
価値があるのは、その映像データだけ。それは既にレコーダーに入っている。
これも、パッケージがキャラクターグッズとしてしか売れない理由です。

(だから深夜アニメに限っては、DRMと補償金の双方が(ry)

青年以上を対象としたアニメをパッケージだけで売らないといけない時代に、
ネットとデジタルレコーダー普及が重なった事によって、
アニメ業界はパッケージ自体をキャラクターグッズとして売る事で生き残ってきたのです。

キャラクターグッズを売るのに適したアニメが、
萌え等のキャラクター性を推し出すキャラアニメだったのですね。

根本的には、昔の様に、子供向けに玩具を売る為に、
玩具メーカーをスポンサーにつけアニメを作っていたのと同じなのです。

オトナorオタク向けに、キャラクターグッズと言う名のパッケージを売る為に、
パッケージを売るレコードメーカーをスポンサーに付けてアニメを作っているのです。

本当に面白い作品は、勿論、パッケージ自体だけで売れていますが、
結局、パッケージだけで売らなくてはいけない時代なんて無かったのかもしれません。


また、同じスポンサーの商品にできるCDを売る為に、
キャラソンというキャラクターグッズのプロモーションにもなっています。

「アニメカレー論」の記事でも話していると思うのですが、
やはり、キャラアニメの定義は「キャラがCDを出したら」で間違いないですね。


キャラクターで売らなければならないというキツイ枠組みの中でアニメを作っているのが、
今の深夜アニメの現状です。
でも逆に、だからこそ、本当に面白い作品しか売れない時代でもあるのです。


・・・ってことで、皆さま。今後のアニメ業界の為にも、

「ネットでの違法なアップロードは勿論、それをダウンロードする事も止めましょう!」

なんて言う気はありませんが、
先に上げた現状の疲弊したアニメ業界の一つの原因かもしれないニコニコ動画は、
今ではニコニコチャンネル等で、数百円からアニメが買えて、
そのお金が、アニメ業界に落ちる仕組みを整備しているので、
そこでアニメを自体を買ってみてもいいんじゃなイカ?

まぁ今の所売ってあるのも、キャラアニメだけですが・・・。

それと付け加えると、ニコニコ動画が悪いみたいな言い方をしていますが、
ニコニコ動画によって、アニメ業界が末広がりを見せた所もあるのですよ。

「MAD」や「歌ってみた」が、アニメを観れない地方民にとっても、
普段アニメを観ない層にとっても、とても大きなアニメの宣伝効果になったのは間違いない。

これによって、ライトオタクやニコ厨なんていわれる層が出てきたのはいいのですけど、
オタク文化が一気に一般人に露出して、
一般人からのアニメ・オタクの印象が悪くなったのだとも思うのですけど・・・。



最後に、深夜アニメの現状を覆すと言うノイタミナですが
ノイタミナはノイタミナと言うブランドの中で、ファン層を囲ってアニメを売っている気がして、
何にも解決に繋がらない気がしてあまり好きになれない企画なのですが、
今の現状の打破を謳って作られている、
『フラクタル』には是非とも、売れて欲しいところです。

『フラクタル』は絶対に、ノイタミナ以外の枠でやるべきだった・・・。
ノイタミナ以外である事に大きな意味を持つ作品だった。

でも、ノイタミナだからこそ通った企画だったんだろうな。

だから個人的にはテレ東の「アニメノチカラ」の方が好きだったのかも。

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